8月25日レクチャー裏話

こんにちは。ご無沙汰しております、錦織です。

8月と9月に開催しておりました、レクチャーの記事ですが、やっと形になってきました。只今校正やらなにやら掲載に向けて作業をしております。もう少しお待ちください…!

8月25日にお話しいただいた堤有希さんは、私が独立して間もない頃、プロジェクトでご一緒して以来、たくさんのテキスタイルとカーテンの制作を担当していただきました。堤さんはその頃は、株式会社布に所属されておりましたが、数年前に退所され、今は東京藝術大学に籍を置きながらテキスタイルと空間の創作活動をされています。

これまでの堤さんとの弊社でのプロジェクトで一番思い出深いのが「GクリニックⅡ」で制作したカーテンです。

写真:越後谷出

GクリニックⅡカーテン

 

こちらは堤さんとの二人三脚で、私はひたすらカーテンパターンの一粒一粒をイラストレータで描き起こしていく作業をしていました。1m四方のパターンをつくって実物大で印刷して、粒の大きさを調整して…と気の遠くなるような作業を繰り返し、堤さんの方でも制作方法や空間に適した布を探して現場で確認していただいたり…同じことは二度とできないような労力がかかっています。正直、気が狂いそうでした…。

こちらが一粒一粒…のスタディ。実物大で印刷しないとわからないのです…!

しかもこのカーテンがかかっている場所は、シングルガラスに西日が射す場所になっていて、午後からの眩しさや夏の暑さはかなり厳しいものがありました。そうした厳しい環境をクリアしつつ、意匠性の高いカーテンを制作できたことで、決して安価ではないカーテンであるにも関わらず、その後のGクリニックの定番カーテンとして採用されていきました。

地味で目立たないところですが、高さ7mもの長尺カーテンを室内空調の風で動かないようにするために、重りの工夫もしています。

そんな一筋縄ではいかない現場にも、堤さんは根気強く付き合ってくださいました。

コンフォルト(No.152, 2016 October)では、「プロジェクトの伴奏者として理想の一枚を追求する」というタイトルとともに紹介されていた堤さん。今はご自身の創作活動において、また、建築家との協働プロジェクトにおいて、理想の空間を一心に追及されています。今回のレクチャーでは、そんな堤さんのテキスタイルと空間を通した創作へのひたむきな姿勢を垣間見、私自身も、設計をする身として襟を正されるような貴重な時間を過ごすことができました。そんなレクチャーでの様子を少しでもお伝えできればと思います!

お楽しみに…!

 

堤さんが関わられた小川錦織一級建築士事務所のプロジェクトです。↓

DCライフスペース

https://ogawanishikori.com/archives/390

Gクリニック8f

https://ogawanishikori.com/archives/882

Gクリニック7f

https://ogawanishikori.com/archives/872

GクリニックⅡ

https://ogawanishikori.com/archives/850

GクリニックⅢ

https://ogawanishikori.com/archives/842

GクリニックⅣ

https://ogawanishikori.com/archives/1229

 

因みに、弊社の小川も今年のプロジェクトでそんな気の狂いそうな作業をしておりました。こちらはまた改めてお伝えできればと思います!

すし屋Sグラフィック

2021年2月17日、↑上記のプロジェクトの作業内容をUPいたしました。ぜひこちらもご覧ください!

もうすぐ一周年のお鮨屋さんへ…点描への執念