事務所の体制

昨年は、一時的な対処と腹をくくってコロナ感染拡大への対応をしてきましたが、昨年から変わらず、現時点ではより悪くなっているようにも思える状況下において、昨年の経験を糧に事務所を運営しています。

先日の蔓延防止措置の発令を受けて、事務所のアルバイト・オープンデスクは全てリモートに切り替えました。

これを機に、模型をつくって検討するところを3次元CADの作図による検討を久しぶりに取り入れてみたのですが、オープンデスクの学生さんの健闘もあり、意外と早い…!検討ができることに驚きと嬉しさを感じています。

Skypeでの通話で指示を出している小川です。リアル空間より熱気があります。

非常勤先の大学の設計授業も、あえて対面授業となったところもあり、建築・空間を考えるにあたり3次元データのみの検討では限界がある、という意見も一方ではありますが、遠隔打合せでは、画面越しに模型を見せることが難しく、3次元CADによるパースの方がより伝わるように感じます。

両方良いトコ取りで作業できると一番いいですよね。

そんななかふと思い出すのが、『大きな森の小さな家』の「すてきな機械」という話です。

 

「大きな森」で、創意工夫をこらしながら生活をつくり出していくインガルス一家の物語。ソーセージを豚を解体するところからをつくったり、トウモロコシを一粒ずつ水で濯いだり、暖炉があり「とうさん」がバイオリンを奏でてくれるあたたかみのある丁寧な生活が描かれている本の中で、「機械」という言葉に少し違和感を覚えますが…。

 

「すてきな機械」という話は、その当時、通常は手で麦を刈り取って脱穀していたところを、主人公であり筆者でもある少女ローラの「とうさん」が脱穀のための機械を借り、作業員を雇って、脱穀したい農家を取りまとめて機械による脱穀作業にあたった、という内容になっています。

機械から聞こえてくるすさまじい音にローラは驚きつつも、あんなに大変だった脱穀があっという間に終わってしまう様子に高揚を押さえきれず、「とうさん」のことをとても誇らしく思った、と書かれていました。

事務所での3次元CADによる検討は「おおきな森…」の進歩と比べるととても小さな変化ですが、そして相変わらず模型の良さも認識しつつですが、「すてきな機械」でのローラの喜びを思い出しつつ、日常生活や仕事に新しい事を取り入れる楽しさを感じた今日この頃です。