キッチン

住宅の設計をする際は、キッチンをどうするか話題になります。

朝・夕、場合によっては朝・昼・夕と一日のうち何度も使うことになるキッチン。せっかく家を新築するのであれば、よく使うキッチンにはこだわりたい、というお客様は結構いらっしゃいます。

(私も、自分が使っていて気持ちよくなるキッチンがほしい!とずっと思っています…!)

造作キッチンにすると高くなるのでは…と思われる方も多いですが、場合によっては造作した方が安く済むこともあり、私たちが今まで関わった物件でも、造作キッチンを何度か手がけてきました。

ご相談いただいた際には、キッチンメーカーの商品と造作した場合と2通りで比較して決めていただくこともあります。

経験上、幅2700mmを超えると、造作した方がコストパフォーマンスが良いように感じます。

抽き出し式の方が使い勝手が良くスッキリ見えるのですが、価格としては抽き出し式が一番高く、抽き出し式>扉>オープン収納の順に安くなっていきます。

こちらは数年前に改修を行った二世帯住宅のキッチンです。

奥のキッチンは単純なI型ですが、こちらは幅2700mmを超えていたため、制作した方が良いと言う判断になりました。

合わせて食器棚や吊り戸棚、作業兼ダイニングテーブルも制作しました。

ダイニングテーブルも2400mmを超えると制作した方が良いことがあります。

全体を同じ素材で揃えることで、空間がスッキリして見えます。

↑こちらは取付工事中の写真です。窓の上にある吊り戸棚は高さ900mmのものですが、簡単に手で中のものを降ろすことができます。

工事中にテストしたときの写真です。普段使わない大きな調理器や行事毎の食器等収納しておくことができます。

メーカーのキッチンであれば、ステンレスやメラミン合板、場合によってはポリ合板が使われますが、こちらの物件では、MDF合板にウレタンを施して用いました。これもコスト減になっています。

地震の時に扉が開くことを防止する金具や、プッシュして開く抽き出し・扉にしてあったり、今のキッチンにある機能は一通り入れました。もちろんこだわらない方は、シンプルにつくり、よりローコストでつくることもできます。

MDF板は木の粉を固めたもので、その中でも密度の高いしっかりしたものを使っています。学校の家具等、激しい利用が想定されるところでも使われる素材です。和紙のような風合いがあり、好みの色に染色することもできます。

↑照明カバーも同じ素材でつくりました。ちなみにこちらの照明は、調光・調色ができ、キッチンの雰囲気を気軽に変えられるすぐれもの。明るさもかなり明るくできるので、暗いところで字が読めない、ということもありません。

↑こちらは検討時の模型。図面からボードを切り出して作成しました。

↑他の部屋からキッチンがどう見えるかも検討していきました。

↑こちらは最終確認時の模型です。

リモートワークも普及してきてご自宅で3食つくられる方も多いと思いますが(私も…)、食事の準備って何気に大変ですよね…。

使っていて気持ちの良いキッチンだったらどんなに良いことか…とふとした時に思います。

ご紹介したキッチンでは、遠方のご家族の方も帰省の折に料理をしてくれるようになったとお聞きしております。

まずは、今のキッチンを掃除することから始めてみようと思います^^。

 

↓ご紹介した物件はこちらです。

House A「層をなす下屋の台所」