太陽光をきっかけに、人が集まり賑わいが生まれる、小さなスポット。
屋根の太陽光発電パネルの下部に連なるキューブ各個には、給電、ディスプレイ、プランター、ベンチなどの機能が割り当てられている。
夜間には周辺に明かりを灯す存在になる。
新しいコミュニティプランニングを担う、ひとつの点としてのスタディモデル。
人と電気の新たな接点。
IDOBATA
東北大学では、2010年より、自然エネルギーを無駄なく使う先端技術を、豊かな生活へ応用する、実証実験を行ってきました。東日本大震災では、DC給電を行っていた情報機器やLED照明が有効性を発揮し、被災地へ自力電力システムを届けました。その経験をふまえ、屋外利用可能でコンパクトな、多目的給電ステーション、IDOBATAが生まれました。
最小限の太陽電池パネルを搭載し、商用電力(AC)への売電を目的として太陽光発電(DC)を行うのではなく、AC/DCの相補完システムによって、情報機器とLED照明、超小型EVへの給電を行います。EVが拠点間の電力運搬も行い、電力網を形成します。FeliCaを使った認証コンセントは、利用者の行動調査やインセンティブデザインの検証を想定しています。カスタマイズ可能な形状で、先端研究の成果をパッケージ化してリアルタイムで地域に提供することを目指しています。
IDOBATAは、人を引き寄せるアトラクターのような寸法設計を施し、 最小限の設備投資で、公民館や避難所、集会所、バス停や駐車場など、地域の既存の施設に賑わいや交流を生む一助となるようにしました。
場所:宮城県 仙台市
竣工:2016年
プロデュース:東北大学環境科学研究科 田路和幸
ディレクション:東北大学環境科学研究科 三ヶ田伸也 中村光宏
デザイン:錦織真也、小田和弘、寺戸巽海
EV給電システム:株式会社 デンソー
製作:株式会社 KAKIMOTO
写真:越後谷出
模型協力:向山佳穂、湯浅一葉、岸苑美
Location : Sendai, Miyagi, Japan
Completion : July 2016
Produce : Kazuyuki Tohji
Direction : Shinya Mikata, Mitsuhiro Nakamura
Design : Maya Nishikori, Kazuhiro Oda, Tatsumi Terado
EV Supply System : DENSO Corporation
Fabrication : KAKIMOTO Co., Ltd
Photo : Izuru Echigoya
Model and Furniture Cooperation : Kaho Mukoyama, Kazuha Yuasa, Sonomi Kishi